依頼者は、これらの写真が生前の父から「戦場に持っていった大事なもの」と聞かされていたと明かした。父は大正3年生まれの戦争兵役体験者で、ビルマ戦線でマラリアにかかり、死体置き場から九死に一生を得て生還したという壮絶な経験の持ち主だったという。しかし、父は戦地の話になると口ごもってしまうため、詳しい経緯を聞くことはできなかった。依頼者は、これらの写真に歴史的な価値があるかを知り、適切な場所に寄贈できればと願っていた。
調査のため、まず父の兵籍簿を取り寄せ、兵籍簿の歴史や読み方を研究する専門家、そして性風俗の研究家の二名に協力を仰いだ。兵籍簿の専門家によると、依頼者の父はビルマのイラワジ会戦に参加した記述があることが判明。さらに、昨年新潟の地元新聞で紹介された、父と同じ戦場に行かれた105歳の存命の男性がいることが分かり、真栄田探偵と依頼者はその方を訪ねた。
105歳の男性に話を伺う
