育休取得率アップも…課題は?

男性育休取得期間:過去3年間の人数割合
拡大する

 男性の育休取得率は上がっているものの、望み通りの期間取得できていない現状に、ニュース番組『ABEMAヒルズ』のコメンテーター、慶應義塾大学教授で教育経済学者の中室牧子氏は次のように話す。

「取得する人数自体が増えてきたのは非常に素晴らしいこと。ただ、時間が短いのは課題」(中室牧子氏、以下同)

 1カ月以上の育休を取得しない理由には、収入や職場への迷惑、職場の雰囲気といったものがある。こういった点を改善していくためにはどのようなことが必要なのか。

「企業が行っている周囲の人たちに報奨金・お祝い金を出すような制度は、非常に良いアイデア。海外の研究で面白い研究がある。私たちは周囲の同僚たちの行動に影響を受けて育休を取るかどうかを決めている。海外でもそういうことがあるんだなと私は驚いた。ノルウェーの研究だが、同僚が育休を取ると、本人が取る確率が11ポイント上がる。兄弟が育休を取ると15ポイント上がるという研究があるので、身近で育休を取っている人がいるとそれに影響を受ける。経済学ではピア効果というが、育休を取るという判断にもピア効果が働く」

「報奨金が出て気兼ねなく育休を取る人が増えれば、徐々にそれがスノーボール式に広がってきて、周りの人たちの行動変容につながっていく。報奨金が出ているということに安心して少し長く取ろうかなという人が出てこれば、また同じようにスノーボール式にピア効果が広がっていくことが期待される」

(『ABEMAヒルズ』より)

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