■GDPよりも大事な「幸福感」

次の総裁は?
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 高い実務能力を持つ林氏だが、大きな意味合いとしてはGDPなどの数字の向上を求めるよりも、むしろ日本国民の「幸福感」を押し上げることこそが、本来の目的だと力説する。「GDPの研究はずいぶんやったが、GDPが増えても楽しくならないし、幸福にならない。そんなギャップがある。昔はLP(レコード)1枚が2500円したが、今は(サブスクで)800円で聞き放題。800円だから幸せが3分の1になったかといえば、むしろ今の方が幸せだ。プライスレスというか、環境がいい、家族と過ごす時間があるなど、そういう数字にできないところを、何か統計でも取って、それを増やしたい」。

 2025年の世界幸福度ランキングでは、1位が8年連続でフィンランド、2位がデンマーク、日本は55位と低い。「まずは指標を作って、それが上がっていなければやり方を変える。今はGDPがまさにその指標になっていて税や予算といった政策を打つが、(幸福度につながるものが)GDPではない部分があるならば、そこを何らかの形でわかるようにしたい。実感できる幸せは大事だと思う。『幸せ』を甘っちょろいという話だと思わず、馬鹿にされてもいいから言い続けていく」。
(『ABEMA Prime』より)
 

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