【MLB】ドジャース 6ー3 ジャイアンツ(9月19日・日本時間20日/ロサンゼルス)
その1球は、あまりにも美しく“エグい”ものだった。ドジャースの大谷翔平投手が「1番・DH」で出場したジャイアンツ戦、本拠最終登板となったカーショーが投じた伝家の宝刀にアメリカ中が熱狂している。
ドジャース一筋18年、通算222勝を挙げた左腕は、日本時間19日に記者会見を開き、涙ながらに今季限りでの現役引退を発表。その翌日、本拠地ドジャー・スタジアムで迎えた一戦が、彼にとってレギュラーシーズンで最後の先発マウンドに。5回途中まで粘りのピッチングを続けた中、大きな話題を集める投球があった。
2回表、無死一塁でジャイアンツのパトリック・ベイリーと対峙したシーンだ。2球続けてのスライダーで追い込むと、ストレートをファールされた後、カウント0ー2から投じた4球目が圧巻だった。193cmの長身左腕がクイックモーションからゆったりと腕を振り抜くと、右打者の外角から急激に変化したボールは内角低めへと曲がり、ダルトン・ラッシング捕手のミットに収まった。ベイリーは一度スイングにいきかけたもののバットを止めて見送ったが、球審は文句なしでストライクをコール。なす術なくやられたベイリーは首を傾げながらベンチに退き、カーショーはこの日、3つ目の三振を奪ってみせた。
まさに、伝家の宝刀だった。MLB公認投球アナリストで"ピッチングニンジャ"と呼ばれるロブ・フリードマン氏は自身のSNSで「ゴージャスなクーパーズタウンカーブ」と投稿。カーショーの決め球であり、殿堂入りが確実視される彼のピッチングに惚れ惚れとしているようだった。
実際、このカーブの変化は凄まじく、MLB公式データサイト『Baseball savant』によるとその落差は実に65インチ(約165.1センチ)を記録。まさに魔法の一球に本拠地は熱狂し、SNSでもファンが「やっぱり来年も現役でお願いします(笑)」「あまりにも綺麗で打てない」などと投稿するなど称賛の声が相次いだ。
その後、カーショーは5回のマウンドに登り、ラファエル・ディバースに対してこの日6つ目となる三振を奪ったところで降板。打者21人に91球を投げ、4安打2失点でゲームをつくったレジェンドは、ロバーツ監督やベッツ、フリーマンをはじめとするチームメイト、そしてスタンドで見守った全ての観客とカーショーの奥さん、子どもたちから盛大な拍手を贈られる中でマウンドを降り、万感の表情でベンチへと下がっていった。(ABEMA『SPORTSチャンネル』)
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