――原作ものも含めて、あえてシナリオや物語を読み込まずに演技をするアプローチというのは、これまでされてきたのでしょうか?
梅田:あまりないですね。原作があれば読みたくなりますし、読むことでアフレコが始まるまでの間に深掘りしていったり、自分が演じるキャラに対してどういう印象を持ったりするのか、なぜそういう印象を持ったのかということを考える作業ができるので。
――なるほど。それが本作では毎話ごとのアフレコで内容を把握しつつ、演じられたと。
梅田:そうですね。台本をいただくたびに、「こんな出来事が起こるのか」と。(先の展開から芝居の)逆算はしていないです。
――改めて、そういった状況のもとアキラというキャラを演じてみていかがでしたか?
梅田:第一印象は見た目からしてスポーティで肉体派なのかなと思っていたのですが、実際は運動だけでなく何事にも真っ直ぐ頑張れる、なんでもできる人でした。王真樹トワサという原動力あってですが、家事もできて研究分野にも造詣が深くてというのは、オーディション時の印象からいい意味でギャップがありましたね。
――そんなアキラの原動力ともなっているトワサとそっくりな見た目のユウグレですが、役作りとしてはトワサというキャラは意識されているのでしょうか?
石川:ネタバレになってしまうので詳しくは言えないのですが、見た目は似ているものの性格はトワサとは異なりますし、まったく意識はしていませんでした。
――ユウグレはアンドロイドではありますが、かなり人間味あるキャラですよね。
石川:アンドロイドと言っても人間と見分けがつかないくらいの子なので、基本的には人間を演じるように演じつつも、言われたことをすべて理解しきれなかったり、一方通行になってしまいがちだったり、人間ほど複雑な感情の機微がないように演じていましたね。私の中のアンドロイド感と言いますか(笑)。
梅田:そのアンドロイド感というところで、すごいなと思ったのが、アンドロイドであるがゆえに知識先行でしゃべることがあるんですよね。まず人間の感情を表す言葉があって、そこに気持ちを追い付かせようとする人間にはない感覚のようなものを(石川の演技の中に)勝手に感じていました。
「感動しながらご一緒していた」
