■「自分の命が1番大切なのに、学習面での不安に襲われた」

石井優衣さん
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 高校3年生の石井優衣さんは、中学校のとき小児がんで1年間の長期入院をした。当時について、「中学2年生の3学期から入院した。その間はコロナだったので、オンライン授業を選択して受けていたが、中学3年に入るときに自分の体調と合わなくなった。もう1〜6限まで座って受けなきゃいけないのがきつくて、自分の好きな体勢で受けられる訪問学級に席を移した」と振り返る。

 訪問学級については「オンライン授業で、1日に2コマしかなかった。しかし私の場合、月曜日に薬を打つと、金曜日まで体調が悪くなった。最悪のときは、起き上がれないし、関節が動かない。手足が動かなくて、ペンを持てなかったので、板書も追いつかない。意欲があるのに授業に出れないのがすごく苦しかった。悔しい思いをした」。

 さらに、「私の場合、中高一貫で、中3で高校1年生の問題をやるのが主流だった。教えられてないものを自学習でやらなきゃいけないが、ついていけないし、学校との進路も全く合わない。自分の命が1番大切なはずなのに、学習面での不安に襲われた記憶はある」と明かす。

 こうした経験から、「当時は体調が悪くて、週に1回も受けられないことも稀にあったので、自分の体調がいいときに受けられて、個人によって変えられる授業があったらいいと思う。あとは自学習のとき、誰にも質問できないことがあったので、質問対応が24時間できるなどの体制があればいいと思う」と提案した。

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