■院内学級をするには「前の学校を転校しなければいけない」
院内学級とは小、中、高校、特別支援学校などが病院内に設置している学級で、授業や指導をする。時間割(※設置する学校による) は1日4〜6コマ(子どもの症状、体調を考慮)で、国語、算数(数学)など基本5科目の座学が中心。
院内学級の先生について、小児科医の川口幸穂氏は「必ずしも院内学級が必要な患者さんがいらっしゃらない場合もあるので、院内にいるわけでない。提携している公立の小学校、中学校があって、院内学級を担当する先生が1人決められている。その先生が病院に行って、大きい教室で全員を集めて授業をすることもある。病室から出れないお子さんの場合は、個別対応するような形だったり、かなりフレキシブルに対応は取っているように思う」と説明。
しかし、院内学級をするには「前の学校を転校しなければいけない」という。「院内学級として提携している小学校に転校という形になるので、前の学校に置いてあった自分の荷物や出席番号は全部なくなり、本当に断絶されてしまう。当事者のお母様には『自分たちの居場所がなくなってしまったように感じた』と聞いた」。
退院した場合には「再度転校して前の学校に戻る」が、幼少期に小児リウマチで長期入院した経験を持つ、実業家の岸谷蘭丸は、「手術してサクっと寛解することはほぼない。僕の場合は新薬ができて、たまたま相性が良く効いただけで、本当に運だけだった。リウマチの集まりにも行くが、副作用が残っちゃった子、まだまだ治らなくて通勤ができない子、高校や大学に行けなかった子がいたり、復帰できることが稀だ」と語る。
石井さんは「退院して3年経ってるが、まだ入院してる子、元気にならずに退院できなくて亡くなった子も多く見てきてる。だから今後、小児病棟の環境が、入院してる子にとってより良くなる、入院してる子ファーストになるような社会になればいい」と願った。
(『ABEMA Prime』より)
この記事の画像一覧
