■小学生の娘の臓器を提供した母親の元へ

中村ひとみさん
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 この日は、数年前、脳炎で亡くなった小学生の娘の臓器を提供した、中村ひとみさんの自宅へ。摘出された臓器は複数の人に移植されている。杉江さんは「(移植を受けた)患者さまだが、今は3食しっかり食べられるようになって、歩けるようになって、ご両親はお子様の成長した姿を見られることを、改めてドナー様、ご家族様への感謝を述べていた」と伝えた。

 中村さんは、「なんでうちの子はいないのに、(娘の臓器を移植した人が)いるんだろうみたいな葛藤もあったが、今日も嬉しい報告でよかった」。杉江さんに対しては、「一番大変な入院期間のことを知ってくれている方。すごく大切な存在に感じている。娘のことでずっと関わって下さる人がいるというのが嬉しい」と感じている。

 杉江さんは、「この思いを聞いてほしいと言う相談、でもお友達に言うんじゃなくて思いを伝える場がない。いわゆるグリーフ(喪失)ケアの場もないので、それは必要だと思う」と訴えた。

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