■みどりさん「周りに助けてくれる人はいなかった」「母親とは絶縁状態」

 みどりさんの父は、「女に勉強は必要ない」「文句があるなら家を出ていけ」「大学は遊ぶところ。行っても無駄」という、典型的な昔気質の男尊女卑の思考。母は、何事も弟を最優先、みどりさんを完全無視した上で、訴えがあれば父に全て報告し、父がみどりさんを怒る流れがあった。

みどりさんの経歴
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 家庭以外で相談できる場所もなかったという。「学校の先生には何度か相談したが、よくわかっていないような反応で、介入はなかった。祖父母や叔父・叔母も、両親と同じような価値観だったため、助けを求めても逆に怒られる。助けてくれる大人は1人もいなかった」。

 弟との関係は、「子どもの頃はあまり仲良くなく、会話もさほどなかった」という。成人後も「普通のきょうだいより距離を感じる。年に数回、連絡を取るか取らないか」だそうだ。

 母親との関係は、「話しても逆ギレするため、絶縁状態だ」と説明。父親は、お小遣いや食事の格差のことは最近まで把握しておらず、何度か謝罪があったというが、みどりさんは「老いを感じて、介護など将来的な不安があるからだと思う」と推察する。その上で、「時間をかけて少しずつ歩み寄ってきたが、関係修復には至ってない。あまり期待しておらず、積極的に関わりたいわけでもない」と明かした。

■きょうだい格差の背景にある“ブラザーペナルティ”とは
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