■大政局の主役候補から一転、出遅れ気味に

自公国3党合意
拡大する

 衆議院では4番目の27議席、参議院では3番目の23議席を持ち、今回の首班指名選挙でもキャスティングボードを握るどころか、総理候補にも名が挙がった玉木氏。15日には各党間で党首会談が行われたところ、自民党と日本維新の会が水面下での交渉を進めており、急接近していたことが明らかになったが、この現状をどう受け止めたのか。

 玉木氏 「少数与党になって、どこも過半数が取れない中で、様々な駆け引きと組み合わせが、ずっと水面下で行われてきた。自民党と維新が一気に連立に向け動き始めたが、自民党も必死だと思う。公明党が抜けて、どうやってかき集めて過半数に行くのか。我々にも働きかけはあるし、今までいろいろなやり取りをしてここに至っている。ただ我々はとにかく政策実現がしたい。7月20日に参議院選挙が終わって、もう3カ月ぐらい経つが、まだ何もやっていない。ガソリンの値下げも、所得税控除の引き上げで手取りを増やすことも、すぐにやってほしい。高市さんにもお願いしたし、前を向いてやる以上は閣内外は関係なく協力はする」

 自民党・高市早苗総裁と玉木氏、さらには麻生太郎副総裁と榛葉賀津也幹事長がそれぞれ接触し、連立あるいは連携に向けて進んでいたと見られていた中、ここに来て鈍化した見方をされている。玉木氏が繰り返し訴えるのは、昨年12月に自公国の3党間で、幹事長レベルで合意した「いわゆる『103万円の壁』を178万円を目指して来年から引き上げる」「ガソリンの暫定税率の廃止」の2点が進まないことだ。

 玉木氏 「そもそも連立を組む・組まないにあまり関心がないし、政策が進めば良いと思っている。我々は去年12月に1回、2つの項目で合意したが、それが果たされなかった。わかりやすく言うと、約束を破られた。連立は包括的な合意。それを新たに結ぶなら、まずすでに結んだ2項目だけはちゃんとやってほしい。それができたら信頼関係もできる。まずこれをやろうと、高市さんにも麻生さんにも申し上げている」

 立憲民主党・日本維新の会・国民民主党の3党による党首会談では「一番期待していなかったのは私」と語る玉木氏だが、思いのほか感触はよかった。それだけに日本維新の会が、直後に自民党との連立に向けて大きく動いたことに戸惑いもあった。

 玉木氏「野党と(連立を)やるならば、安全保障や原発を含むエネルギー政策について、正直政策が分かれていて、ここを一致しないと政権を作ってもすぐバラバラになる。2009年、民主党政権でも、辺野古崎の基地問題で社民党が連立から離脱して、日米関係もギクシャクした。ああいうことを2度と繰り返してはならない反省がある。(3党の党首会談の)感触は良かった。結構踏み込んだ話もできたし(日本維新の会)藤田さんも『いい話だった』とご自身で言っていた通り。それが終わった1時間後に、自民党と日本維新の会の連立の話が出たので、ちょっとがっくり来た」。

■なぜここまで連立に慎重なのか
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