【WRC世界ラリー選手権】第12戦 セントラル・ヨーロピアン・ラリー
WRC(世界ラリー選手権)の第12戦が19日まで行われ、トヨタが5年連続でマニュファクチャラーズチャンピオンを決めた。一方でタイトルを逃したライバルのヒョンデは、昨季王者のヌービルがマシンを破損させながらも鬼神の走りを見せた。
今季まだ0勝のティエリー・ヌービル(37)は、このままでは終われないとばかりに今大会も奮戦する。特に見せ場となったのは競技2日目デイ2、初日を終えて8位だったため、この日は朝から攻めて、SS3でトップタイムを記録した。しかしSS5では森林内エリア走行中、コース脇にはみ出し、土壁に乗り上げて車体右側に大きなダメージを負う。フロントバンパーからリアタイヤまでボロボロになったまま走り続けたヌービルだったが、途中、コ・ドライバーとともにマシンを降りてタイヤ交換など応急処置を施している。
そして次のSS6では、フロントまわりを破損した影響か、走行中にボンネットが若干跳ね上がって、視界の妨げになった。しかしヌービルはそのまま激走。壊れていても走れるかぎり走る、というヌービルの気概が感じられた衝撃的な場面だったが、同時にWRCの激しさと過酷さも感じられたステージだった。
結果的に、ヌービルは最終日にも橋の欄干に激突するクラッシュをして今大会は完走できずに終える。ドライバーズランキングは現在5位だが、今季はまだ残り2戦ある。ライバルの母国、ラリー・ジャパンでは雪辱を果たすべくヌービルの鬼気迫る走りが見られるだろうか。(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2025』/(C)WRC)
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