トランプ大統領との初会談が迫る中、高市新総理がどんな関係を築けるのか、注目が集まっている。カギを握るのは、共通の“あの人”だ。
10月22日、「世界の真ん中で咲き誇る日本」と安倍元総理の言葉を引用して、外交への決意を述べた高市新総理。重要な外交日程が続く中、最大の正念場となるのが10月28日に行われる見通しの日米首脳会談である。
10月6日、トランプ氏は総裁選直後に「彼女は非常に尊敬される人物であり、深い知恵と強さを兼ね備えている。日本国民にとって非常に喜ばしい知らせだ」とSNSで祝意のコメントを投稿した。
アメリカメディアは、高市総理が安倍元総理と近い関係にあったことなどから「思い出を通じて絆を深める可能性が高い」と伝えている。
2016年11月、大統領就任前のトランプ氏と世界で最初に会った外国の首脳が、安倍元総理であった。トランプタワーで1時間半にわたって会談し金色のゴルフドライバーを手土産に、信頼関係づくりの第一歩を踏み出した。
その3カ月後、ホワイトハウスでの初めての首脳会談。約20秒にわたる固い握手を交わす。会談を終えると大統領専用機でフロリダへ。トランプ大統領の私邸「マー・ア・ラゴ」で晩餐を共にした。翌日は、互いの趣味であるゴルフを楽しむなど、親密な関係を印象づけた。トランプ大統領が初来日した際もゴルフ外交で交流。その後も会談を重ねるごとに、信頼関係を深めていった両首脳。こうした個人的な信頼関係こそが、安倍外交の大きな支えになったとの見方もある。
2025年10月20日、アメリカのグラス駐日大使は「大統領は、安倍氏の時と同じような関係を日本と築きたいと考えている」と語っている。
高市総理がその信頼のバトンをどう引き継ぐのか。「シンゾー」「ドナルド」に続く新たな関係、「サナエ」「ドナルド」の第一歩となるのか、注目が集まる。
現代アメリカの政治・外交が専門の前嶋和弘氏は、初の首脳会談の“注目ポイント”について以下のように語る。
「どんな内容がサプライズで出てくるかだと思う。関税や投資の内容、あるいは防衛費をGDP比2%を前倒しと高市さんも表明しているが、さらに高い約5%という数字を要求してくるかもしれない。この辺りのビーンボール(危険球)みたいなものがくるかどうかだ」(前嶋和弘氏、以下同)
高市総理×トランプ大統領の“相性”は?
