クロスズメバチは体が黒く、体長10〜15mm程度と小さい。特徴は巣の作り方で、近畿中央病院皮膚科の夏秋優氏は、「クロスズメバチは土の中で巣を作るため、外から見ても巣の存在が分かりづらい」と解説する。
クロスズメバチの巣は、深さ約20cm、直径約20〜45cmで、地表には500円玉くらいの巣穴があるという。「(巣には)何百匹や何千匹のハチがいる場合がある。多数のハチが一気に襲ってきて、10〜20匹にいきなり襲われることもある。ただ、たくさん(のハチ)に襲われると危ないのではなく、たった1匹でも危ない。ハチに刺されて一番危ないのは、過去に刺されたことによって、ハチ毒に対するアレルギー体質を獲得している人だ」(夏秋氏)。
アレルギー体質を獲得している人が、再び刺されると、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性を夏秋氏は指摘する。最悪の場合、15〜30分で命を落とすこともあるという。「ハチの被害は夏の終わり頃から秋口、この時期に非常に多くなる。(秋頃に)巣の中で新しい世代の女王蜂が誕生する。そうなるとハチは巣を守ろうとする意欲がより強くなり、巣に危害を加えるものに対する攻撃性も一番高まる」と話す。
夏秋氏によると、今年のハチは例年よりも活発だという。「今年の特徴としては、6月に梅雨がかなり早く明けた。その後、雨があまり降らずに、いい天気がずっと続いた。ハチは天気のいい時に活動する。好天が続いたことで、ハチの巣が例年よりも発達しやすかったのではないか」。
スズメバチ駆除業者が感じる“異変”
