スズメバチの駆除業者も、変化を感じていた。みどり産業の田迎真人氏は「(巣が)大きい。エサ資源の多い場所にできたものは特大。1000匹を超えるような巨大巣だ」と語る。

 巣のありかにも異変があるようだ。田迎氏は「巣作りする場所が、今年は山地ではなく、住宅地に近い、ちょっとした緑地や、公園の植え込みの地中で目立っている。だから何かおかしい。クマが出没するのと同じように」とコメントする。

 田迎氏によると、今年は越冬した女王蜂が多く、後から来た女王蜂が、他の巣を奪う“乗っ取り”が勃発したのではないかという。そして、その戦いに負けた女王蜂が、餌場を求めて市街地に来ていると予測する。「山林の多い農村地帯から、町場の緑の残っているところに(巣を)作らざるを得なかった」。

 ハチは本来、気温が下がると、活動をやめると言われているが、「クロスズメバチも11月以降、1月近くまでいる。寒さには強いハチだ」と、田迎氏は言う。

ハチはクマよりはるかに被害の多い衛生害虫
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