■江戸川区のインド人は全国最多

江戸川区の外国人
拡大する

 江戸川区は東京23区でも最多となる5万1800人の外国人が住んでいる。内訳を見ると最多は中国人の1万8231人だが、2番目がインド人の8096人。これが全国の自治体で最多だ。江戸川区にインド人が増えたきっかけの一つと言われるのが、1999年から2000年への年越しの際にコンピューターが誤作動を起こす可能性があると言われた「2000年問題」。この対応に、優秀なIT人材が豊富だとされるインドから多くの人々が日本にやってきた。

 インド人の生活をサポートする市民団体・ナマステ江戸川区の近藤祐市代表は「2000年問題の50年前くらいから、インドの方が少しずつ住みだしていた。そこに2000年問題でバッと増えた。インドレストランやインドのコンビニも西葛西にできて、インドの方々に住みやすくなった」と、ここまでの流れを語る。IT企業に勤める優秀な人材が多いこともあってか、高所得者も多く「もともとは団地に住まわれていた方も、戸建てを買うケースが増えている」という。

 周囲に住む日本人との関係もおおむね良好だ。課題としては「インドの方々は声が大きくて、夜うるさいというのはよくある話。そもそもインド(国内)が、本当にうるさい環境で生まれ育っているので、日本でもそのまま無意識で生活し、それが日本では騒音としてトラブルになることがある」という。インドでは、チャイ(ミルクティー)を毎日、複数回飲みながらコミュニケーションを取る文化があり、これが日本国内ではうるさく感じられることもある一方、日本人と外国人が交流するきっかけになる場合もあるようだ。

 また2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は、インド人が他文化と共生する能力に長けた国民性を持っていると語る。「インド特有の面だと、みんな『インド人』というが、地域によっては言葉も文化も全然違うし、むしろ多国籍や他文化に慣れている。だから日本に来ても『こういう文化か』と融合しやすい。別の国や地域の人たちばかりが集まっていると、日本の文化に合わせるのも難しくなる。そういう意味で、他民族がもともと多い地域で生まれた人は、日本にも馴染みやすいのでは」と私見を示した。

■課題山積の外国人政策
この記事の写真をみる(4枚)