ではなぜ、今回容疑者の特定に至ったのか。「当然、当時捜査本部を立ち上げる。容疑者の適格性がある人物を選出し、今回は5000人いた。今回は通り魔ではなく、いきなり殺害しているため、被害者の周辺捜査は必ずやる。被害者と面識ある人物や、携帯電話に登録されている人物を何十人、何百人と選出し、1人ずつ洗ってあたる」。
加えて、「今回被疑者はケガをしている。犯行日以降に手をケガして病院に通院した患者も捜査対象だ。今回は夫の同級生のため、当初から捜査線上には浮上していた。しかし1件1件ずっと面接して事情聴取した結果、『矛盾がない』として、いったん保留した。さらに再捜査を重ねて、DNA提出拒否者を裏付け捜査しながら絞っていく。あくまで任意で唾液の提出を受け、現場と一致したから逮捕に至った」。
逮捕にあたっては、「何回も捜査員が容疑者に事情聴取して、『唾液を持ってきて下さい』と言っていた。そして諦めて唾液を持ってきて、DNAが一致したため逮捕になった」と語る。
もし任意提出を拒まれ続けていたらどうなったのか
