消防士と消防団員の違いは?
田中記者「大きく2つ違う点がある。まず『お金』だ。都内のほとんどの消防士が東京消防庁の職員で、東京都が雇用主だ。地方公務員にあたるため、給与は毎月東京都の方から支払われる。一方、消防団員は、主に地元住民の方々で構成されていて、非常勤特別職の地方公務員にはあたるが、各自治体から、年単位での報酬や出動時の手当が支払われている。2つ目は『勤務体系』だ。消防士は常勤で24時間、交代制で昼夜を問わず火災があった際には出動できるようになってる。一方で、消防団員の方々は非常勤で普段は自営業など別の仕事をしてその合間、平日の夜や土日に訓練や消火活動を行っている。消防署と消防団員は、消火や救急活動にあたるという目的は一緒でそこに違いはなく、自分の管内で火災が起きた際には出動し、その際『消防署さん先に行ってください』など譲り合うことはなく、補助的な立場ということもなく、早く着いた方から初期消火を始める」
消防団員ならではの強みはあるのだろうか?
田中記者「日中別の仕事をしているため、例えば林業等で山で仕事をしている方々にとっては、その場が職場、そして自分が住んでいる場所であったりするので、林野火災の際には“地の利”ではないが、その特性を生かして活動にあたることもできる」
なり手不足が深刻に
そんな消防団だが現在なり手不足が課題だという。
田中記者「2011年、都内には2万4000人以上の団員がいたが現在は2万1000人ほどに減ってきている。平均年齢も45歳未満だったが今はもう50歳近くまで上がってきている。全国で見るとよりこの現象は顕著で、2011年時点で88万人ほど消防団員がいたが現時点では73万人に。もちろん火災、救急等の件数が減っているわけではない。火事の数は減っていないが、対応できる人の数は年々減ってきている」
少子高齢化以外にも要因があるのだろうか。
田中記者「消防団は地域のコミュニティに支えられている部分が多くあり、地元住民の方々の輪で、地元の方たちで構成されているので、近隣住民との付き合いが少しずつ希薄になっていることも影響している。そのため、消防団とは何か、どういった活動をしているのか、ということが知られてない実情があるようだ」
なぜ女性団員は増加しているのか?

