■高島市長語る福岡のメリット 大都市化で“ちょうどいい街”への影響は?
副首都に選ばれる条件として白鳥氏は、東京と同時に被災しない前提の上で、「経済の中心として盛り立てていくため、県外からの企業移転ができるか」「人口増加に耐えうるインフラが整うか」「日本は経済も政治も東京。どう変えられるのか」「デメリットを明かした上で受け入れられるか」をあげている。
バックアップ機能としては、官邸機能や国会機能、省庁関係者の居住・職場スペース、交通インフラ、安定的エネルギー、情報通信システムなどさまざまなものが考えられる。
これに高島市長は、「バックアップ用の空っぽの建物を作るのではなく、福岡には九州経済産業局や運輸局といった国交省の出先機関があるので、少し拡張しておき、いざとなったら使う。財務省としても、イニシャルコストや普段使わないものの維持管理へのお金は出さないので、普段からローリングで使っていくのが現実的だ」との見方を示す。
また、文筆家で情報キュレーターの佐々木俊尚氏は、福岡のメリットは大きいとコメント。「東京・大阪間を飛行機で移動する人は少なくて、基本は新幹線。ただ、東海道新幹線は雨に脆弱で、リニア中央新幹線も北陸新幹線の延伸もまだ実現できていない。一方の東京・福岡間は飛行機の便が多いし、安いし、空港から博多まですぐ。このメリットはものすごく大きい」とした。
福岡は、通勤・通学時間の短さ1位(アジア13都市中・2024年)、大東建託住みたい街ランキング6年連続全国1位、「住みやすい」と答えた市民97.4%・「住み続けたい」と答えた市民93.8%(2024 市政意識調査)など、住みやすさに定評がある。そうした“ちょうどいい”が、大都市化によって崩れる懸念はないのか。
白鳥氏は、福岡市はコンパクトシティの“お手本”だとし、「公共投資が行われていろいろな物が増え、西日本の本社機能が移転し、人が増えていく。そうすると渋滞が発生したり、鉄道利用者が増えて空港まで5分とはいかなくなるだろう。単なるバックアップ機能にとどまらないものも必要で、コンパクトシティを逸脱することをどう捉えるか。公共投資を呼び込みたいという見え方にも注意が必要だ」と投げかけた。
■高島市長が大胆提案「第一副首都・大阪、第二副首都・福岡」
