なぜ進まない?医療が発達した現代も解決しない“女性特有の苦しみ”
また必要な処置へのアクセスがスムーズになるために、内田氏は「2つのポイントがある」と説明する。
「1つはオンライン診療。私の場合はコロナ禍の妊娠だったということもあり、ほとんどの検診がオンラインで行われた。エコーを撮る時や触診が必要な時以外は電話とZoomでの会話をメインとした診察だったが、十分なケアが受けられたと思う。また妊婦さんはつわりがなくても歩くのも大変なため、家から診察が受けられるのも本当にありがたいと思った。そのようなオンライン診療が日本でも進んでほしいと思う」(内田舞氏、以下同)
「もう1つは、長い医学の歴史の中で臨床も研究も関わってきたのが、近年まではずっと男性だったということ。女性特有の身体的な負担や苦しみに関しては、総じて研究が遅れているのが現状ではあるが、どんどん変わってきているものもある。例えば私が准教授であるハーバード大学の医学部は現在、学生の6割が女性だ。女性の医者や女性の研究者の全体数が増えたことは大きな変化をもたらしているし、女性の医学の分野が確立されて男女ともに多くの方が関わり、医療の進歩に貢献している時代だ。見えない進歩かもしれないが、進歩は間違いなく起きているため、少しずつだが研究も臨床も変わってきているというのが私の実感だ」
(『わたしとニュース』より)
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