■10歳下の結婚相手から包丁を投げられた被害者

DV被害に至るまで
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 10歳下の結婚相手からDVを受けた島村和宏氏は、「もうDVは大体受けた」と話す。「言葉による暴力、罵倒、身体的暴力、包丁を投げられる、スピーカーを使って殴られるとかもあった」。

 「入籍してから徐々に罵倒からエスカレートして暴力になってきた」といい、暴れる理由については「嫉妬」だったそうだ。島村氏は「当時女性が多い職場に勤めてたので、それで『嫉妬して、イライラしちゃう』と言われた。『(仕事を)辞めたら落ち着く』と言ったので、仕事は辞めた」。しかし、暴力や罵倒は収まらなかった。

 逃げ出すにも「男性用のシェルターが少ない」。警察に通報したこともあったが、「(警察は)2つに分かれて話を聞かれるが、僕が話したことよりも、妻の方を信じてしまった。警察では、おとなしくなったみたいで、泣きながら、『とんでもないことをしちゃった』と言ってたと聞いたので、信じてもらえなかった」。

 島村氏は「元々離婚はしたかった」が、「加害者は暴力を振るいながらも、相手が好きなので、まず離婚届にサインしない」ことから協議離婚は難しく、「調停もやったが、男女別々に話すから、僕の言うことは信じてもらえなかった」と調停離婚もできなかった。

 しかし、「他の方から『暴れたときに離婚届を出せばいい』とアドバイスをいただいて、3枚用意していた。それで暴れたときに『書いて』と言ったら、本当に書いてくれたので、そのまま提出した」と現在は離婚が成立している。

■栄養失調で心肺停止状態になった被害者
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