<大相撲十一月場所>◇十一日目◇19日◇福岡・福岡国際センター
49歳現役最年長力士の深々、さらに土俵に対しても丁寧な礼に注目が集まった。相撲および土俵への“畏敬の念”さえ感じられるその立ち居振る舞いに「中年の星」「すごいぞ49歳」と驚嘆するファンが相次いだ。
注目を集めたのは、三段目五十八枚目・翔傑(芝田山)。昭和51年(1976年)生まれ、現役最年長49歳の翔傑は、今場所調子が振るわず、ここまで初日の出ない5連敗中。だが十一日目の取組では、日々の稽古の成果が現れた。
序二段五枚目・幹希の里(西岩)との一番。立ち合い正面から当たった翔傑は、幹希の里の強烈なのど輪で大きくのけぞるも、耐えて左四つに組んで応戦。組んだ状態で土俵際まで詰め寄られたが、体を入れ替えて逆転の寄り倒しを決めた。白熱した一番に、客席からは拍手が沸き起こった。
見事に勝利した翔傑は、今場所初白星となる1勝目を挙げた。幹希の里は6敗目。取組後、翔傑は勝名乗りを受けると、土俵を下りて息を整えてから直立姿勢で深々と一礼。直ってからも土俵に向かいコクリと余韻のような小さな礼をし、悠然と花道を後にした。その所作からは相撲および土俵への畏敬の念が感じられ、49歳と大ベテランでありながら鍛え抜かれた張りのある体は、相撲道に日々精進していることの表れにも映った。
30歳前後で引退する力士が多いなか、50歳を目前にして土俵に立ち続けている翔傑。初土俵を踏んだのは平成7年(1995年)三月場所で、30年間にわたって無休で出場。高齢力士としては昭和以降、令和4年(2022年)に51歳7カ月で引退した元三段目・華吹に続く歴代2位の年齢でもある。
驚異的な記録を持つ49歳・翔傑の勝利、そして丁寧な所作に、ABEMAの視聴者からは「中年の星」「すごいぞ49歳」「おお、礼儀正しい」「白星おめでとう!」「鉄人の勝利」と驚きや称賛の声が続々と寄せられた。(ABEMA/大相撲チャンネル)
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