2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪まであと僅か。スキージャンプ男子日本代表のエース・小林陵侑は、18日にW杯ジャンプ男子個人18戦で2位に入るなど視界良好だ。
19日にABEMAで独占配信された『チャンピオン: 小林 陵侑』では、2022年北京五輪での金メダル獲得、日本人初のW杯総合優勝2回という輝かしい実績を持つ彼が、2024年4月に達成した「291m」という前人未到の偉業と、その舞台裏に迫った。
世界中を驚愕させた挑戦の舞台は、アイスランド北部の雪山に特設された巨大なジャンプ台。目標は人類未踏の「300m」だ。
従来のジャンプ台とは桁外れのスケールで行われたこのプロジェクトについて、小林の身体能力を18歳の頃から知る北翔大学・生涯スポーツ学部の山本敬三教授は、その異次元の難易度を指摘する。
「世界のジャンプ台でもトップアスリートは250mくらい飛びますが、そこからさらに50mを伸ばすというのは、かなりチャレンジングなプロジェクトです」
ビル50階建てに相当する高さからのランディングの最大の懸念は「風」だ。「10秒間飛ぶということは、その間に風が変わる可能性がある」。わずかな気流の変化が生死に関わる事故につながりかねない、極限の環境だった。
小林自身も「転んだ時が怖い。もしそこで着地をミスしたら、アスリートとしての人生が終わってもおかしくない挑戦」と語っており、常に死と隣り合わせの恐怖と対峙していたことを明かしている。
「ドリーム・カム・トゥルーっすね」世界新記録291mの瞬間
「世界一、スキージャンプで飛ぶのが1番大きな目標です」
ドキュメンタリー冒頭で、こう語った小林が挑んだ2024年4月のジャンプ当日。時速100kmを超える助走スピード、轟音、そして制御困難な風圧。危険なコンディションの中で何度か失敗し、小林は最後のフライトにすべてを賭けた。
そして、叩き出された記録は、291m。FIS(国際スキー・スノーボード連盟)の公認記録ではないものの、世界最長飛距離となる大ジャンプだった。小林、そして見守った周囲の人々に歓喜の輪が広がった。
「飛んだ直後の気持ちはすごく達成感というか嬉しかったです。ニュースでも色々取り上げてもらいましたし、一緒にワールドカップで戦っているメンバーたちから『羨ましい』っていうメッセージが来ましたね」
小林は当時の興奮を笑顔で振り返り、「いや、本当にドリーム・カム・トゥルーっすね」と喜びを噛み締めた。SNSでも「こんなヤバいことやるの白人だろって思ったら、小林陵だった!凄すぎる」「日本のオリンピック選手、小林陵侑がスキージャンプの世界記録を更新しました。信じられない記録」などの反響が上がった。
常に「世界一」を見据えて戦い続ける小林陵侑。世界中のジャンパーが畏敬の念を抱く日本のエースが、五輪の舞台でどのようなビッグジャンプを見せてくれるのか。その活躍から目が離せない。((C) Red Bull)
この記事の画像一覧

