影響力を増す中国
USAID解体の影響はツバルの隣国フィジーにも及んでいるという。
奥寺氏は「中国は南シナ海に人工島をたくさん作るなどして軍事拠点化を進めてきたが、それを飛び越えて南太平洋の島々に対してもたくさんのお金を入れて、競技場や港や道路を作るなど多額の援助を提供することで“中国に近い国”を作ろうとした。元々はこの地域は台湾が外交関係をもっている国が比較的多かったが、中国がオセロゲームのように外交関係をひっくり返そうとしている。2019年はソロモン諸島とキリバスがひっくり返り、ナウル共和国も2024年に台湾から中国にスイッチした。そんな流れの中でアメリカもオーストラリアも危機感を持って本格的にお金を入れ始めていたところだった」と説明した。
南シナ海を超え、南太平洋でも多額の援助を通じて影響力を強める中国。2022年にはフィジーの西側にあるソロモン諸島と安全保障協力協定を締結。中国が軍艦や治安部隊を派遣する可能性が浮上し、これに危機感を抱いたバイデン前大統領は太平洋地域への関与を強化。USAIDを前線・フィジーに置き、支援を進めようとしたが、今年に入りトランプ政権がUSAIDを解体。一方、中国はフィジーにインフラ整備として3億ドルを投じる準備を進めるなど、影響力をさらに強めている。
日本にできることは?
