■東京都の少子化対策

田中まゆ氏
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 そんな中、注目されているのが東京都による切れ目ない少子化対策だ。マッチング事業や結婚情報発信といった「出会い·結婚への支援」、プレコンセプションケア推進、卵子凍結支援などの「妊娠·出産支援など」、子育て支援金、学費や医療費支援のような「子育て費用支援など」、認証学童クラブ、ベビーシッター利用支援の「保育·教育の充実」が一例で、その他、住宅や親の就労·職場環境なども支援している。

 助産師の田中まゆ氏は「小池百合子都知事は発信がうまい。私は大阪から『東京ではこういう政策をするんだ』と思いながら見ている。出会いから出産、その後の子育てまで、流れに沿った支援を提供していることが大きいのではないか」と評価する。

 コラムニストの河崎環氏は「政府が全国一律に行う施策よりも、自治体ごとの実情に合わせた施策の方が有効的だ」と考えている。「東京都とその他の地方では、女性の就業状況やライフスタイルも異なる。東京都は東京にフォーカスしたから成功したのであって、一律で語ることはできない」。

 生成AI系会社員のハヤカワ五味氏は、「東京都の助成を使って、卵子凍結した。20万円まで補助金が出るが、それを受けるためには1時間強の勉強会への参加が必須で、カメラをオンにしなければならず、途中退室も認められない」と経験談を語る。「『遅く来た性教育だ』と感じた。本来であれば学生時代に全員一律でした方がいいが、それができないため、『せめて卵子凍結を考えるタイミングで知ってほしい』とやっている印象を受けた」。

■プレコンセプションケアとは
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