将棋の第11期叡王戦段位別予選・九段戦Bブロック決勝戦が12月2日、東京・渋谷区の将棋会館で行われ、佐藤天彦九段(37)が深浦康市九段(53)に勝利した。
タイトル戦昇格前の第2期叡王戦で優勝を飾っている佐藤九段が、2期ぶり7度目の本戦トーナメント進出を決めた。
予選突破をかけた注目の一戦は、急転直下の決着となった。深浦九段の雁木 対 佐藤九段の矢倉の出だしとなった本局。ABEMAでテキスト解説を務めた井田明宏五段(28)は、「深浦九段が飛車先の歩交換に対して積極的に動いた将棋でした。難しい小競り合いが続いていましたが、後手の佐藤九段の角の利きを止める歩の一手が良い軽手で深浦九段が有利になりました」と解説した通り、深浦九段が主導権を握って進行していた。
深浦九段が着実にポイントを積み重ねて優位を築いていたが、秒読みの中で竜切りを決断。寄せが乱れたことに気付いたか、即座に天を仰ぐ様子も見られた。井田五段は、「粘り強く指した佐藤九段が最後にきたチャンスをものにしました」とコメント。佐藤九段が劇的な一着で白星を手にする結果となった。
この結果、段位別予選・九段戦Bブロックからは佐藤九段の本戦進出が決定。本戦では、シード棋士を含めた全16人によるトーナメント戦で伊藤匠叡王(王座、23)への挑戦権を争う。
(ABEMA/将棋チャンネルより)





