【WRC 世界ラリー選手権】第14戦 ラリー・サウジアラビア(11月26日〜29日)
WRC(世界ラリー選手権)最終戦「ラリー・サウジアラビア」で、来季からトヨタ(TGR-WRT)でトップクラスへ昇格するオリバー・ソルベルグ(24)が、初日のSS1で壁にマシンを当てながら最速タイムを刻む場面があった。
舞台はジッダ市街地に設けられた特設コース「ジャミール・モータースポーツ・スーパースペシャル1」。2台が並走してタイムを競うこのステージで、今季のWRC2クラス王座をすでに確定させているソルベルグは、R・ビルベスとの対決に臨んだ。父である元世界王者ペター・ソルベルグを彷彿とさせる、マシンを大きく横に向けるダイナミックなドライビングで観客を魅了するオリバー。しかしコース終盤、直角の左コーナーへの進入でオーバースピード気味にマシンをスライドさせると、リヤがアウト側のコンクリートバリアに接触するアクシデントが発生した。
だが、オリバーは接触をものともせず、即座に姿勢を立て直して加速。ノートラブルで走った対戦相手のビルベスを2秒4も上回る4分4秒4のタイムを叩き出し、ラリー2車両でのステージ最速を記録したのだ。走行後、オリバーは時折笑顔を見せながら「とても滑りやすくて楽しかった」とコメント。壁への接触すら楽しむような強心臓ぶりを見せつけた。
これで勢いに乗ったか、オリバーはその後のデイ2以降も安定した速さを維持。最終的に総合10位、Rally2首位でシーズンを締めくくった。来季、トップカテゴリーのRally1マシン「GR YARIS Rally1」を操る若き天才の覚醒に、世界中のファンが期待を寄せている。(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2025』)
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