■女性清掃員が多い背景に「無意識の思い込み」
男子トイレの清掃を女性が行うケースが多い理由として、ビル清掃の専門誌『月刊ビルクリーニング』編集長の比地岡貴世氏は「無意識の思い込み」が背景にあるとの見方を示す。高度経済成長を背景に強まった性別役割分業意識の下、「男は仕事、女は家事/育児」「女性が男子トイレも掃除を行う」という習慣・固定概念が根付いたと指摘する。
また、トイレに同性の清掃員が入るのは、人手不足やコストの面から「現実的ではない」と説明。トイレ清掃員は、かつてはシニア層にとって定番の働き口だったが、現在はファーストフードやコンビニなど受け皿となる業種が多種多様に。“高齢者=清掃”という定説が崩壊し、働き手が確保できない問題をあげた。
なり手不足解消には、清掃員に数%のチップが入るなど清掃員が得をする仕組みづくり、清掃時間の予告制による利用停止と利用者側の妥協も大切だとした。
そうした中、女性のなり手が少なくなり、男性清掃員が女性トイレに入らざるを得ない状況も出てきているという。さらに、男性清掃員の“苦悩”として、女性の抵抗感への不安や、痴漢・盗撮など冤罪への恐怖心があること、「世論は女性の味方で、男性清掃員側は不利」という意識を伝えた。
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