■教育委員会の“パワハラ”で校長がうつ病に

中学校の校長が市を提訴
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 堺市での一件は、去年7月、原告の校長が堺市の中学校に勤務していた際、生徒たちが無断で校外に出たため担任教師が注意したことが始まりだ。その後、生徒の保護者が「教師の指導は不適切だった」として、学校に懲戒処分や担任から外すことなどを求めてきたという。校長は弁護士に相談の上「不適切ではない」と断ったが、市の教育委員会から強く、保護者の要求を受け入れるよう強く指示を受けたことで、校長はうつ病に。その後、これはパワハラだったとして市を提訴するに至った。

 元中学校教師でYouTuberの静岡の元教師すぎやま氏は「生徒が昼休みに無断外出をしたということだが、これは本当に一番やってほしくないこと。教員は生徒の命を預かっている。それに対して強い指導をするのは当たり前。安全・安心は守らないといけないし、ガンと言わないといけない場面だったと思う」と、教師の行動に理解を示す。また校長については「教育委員会が謝れというところを、校長が(教師を)守ってくれた。教員としてはありがたかったのでは」と、上司として部下を守る行動だったと評価した。

 元小・中学校教師でYouTuberの内田和美氏も、同じ意見だ。「この方が校長先生だったら私はうれしい。どうしても担任や生徒指導をしている教科担任が、問題が起きた時の矢面に立ち、校長が守ってくれないというか『面倒くさいことを持ってこないで』となることが多い。なので、この校長先生は(教師たちからすれば)本当に心強かったと思う」と述べた。

■板挟みになる現場の教師
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