■板挟みになる現場の教師
保護者からの要望に教師たちが対応し、疲弊していくという状況は、以前からも続いてきた。上司である校長や教頭、さらには教育委員会に相談を上げたところで、最終的には受け入れてもらえず、板挟みになった教員が、身を削ってやりくりするということも珍しくない。
すぎやま氏は部活動を例に出した。顧問をしていた際、日曜日を休みにしていたところ、保護者から「日曜日もやってくれ」「前の先生はやってくれた」といったことがあったという。。すぎやま氏が「できません」と断ったところ、翌日に教頭に呼び出され「保護者の方が熱心だから」「前の先生もすごく頑張ってくれていたから」と、ほのめかされたという。休日稼働なだけに、教頭も労基法違反を恐れて、あいまいにしか伝えてこない。結局、妥協案として隔週で日曜日も部活を行うことになった。
逆に積極的な動きに対してブレーキがかかることもある。内田氏は家庭訪問について学校側とぶつかったこともあった。保護者の要求に対応したいと家庭訪問をしたいと考えたところ「校長から『余計なことはするな』と言われた」という経験を紹介した。
■教師を守るガイドラインも
