■スポーツにも進出 NetflixのライバルはYouTube
Netflixはスポーツの世界にも手を広げつつある。その理由として「これまでの配信では、数秒の遅延が起き、即時性が重要なスポーツ中継も遅れてしまっていた。日本では合法化されていないが、欧米ではスポーツベッティングが大きなビジネスだ。次のプレーが遅れると商売にならないため、ストリーミングで見るのはリスクがあった」と語る。
しかしながら、「ここに来て、それが解消されてきた。日本国内の通信状態も改善され、スポーツに着手できるタイミングが来たため、Netflixも参入した。ディズニーのHulu(フールー)やAmazonはスポーツに先手を打っている。彼らにはスポーツが欠かせない」とした。
たとえ買収できたとして、Netflixとしては成功するのか。「そもそもNetflixは利益をさほど重要視していない。世界市場を先に取った方が、圧倒的に勝つとわかっているため、契約者数さえ増えていれば企業価値は下がらない。赤字でも企業価値があると、ウォール街は判断している」。
新たな試みとして、「“バーティカル”と呼ばれる、縦型のショート動画を来年から始めるはずだ」といい、「Netflixもトレンドを追っていて、できるだけ若い世代かつグローバルに契約者を取りに行くと発表すれば、お金がついてくる」とする。「Netflixの一番の強敵はYouTubeだ。YouTubeには有料の広告スキップ機能がある。そのためNetflixは、差別化を図るためにM&Aが重要だ」。
加えて、WBCの国内独占放映について、「今年のマスターズで、たまたまMLBのコミッショナーと、Netflixの共同CEOの1人が同席して、『WBCが日本で人気だ』と話した。ある広告代理店がオファーしていたが、『Netflixなら3倍でも4倍でも払うから』とコミッショナーに頼んだ」と裏話を明かす。
「これを即できるのが、アメリカの企業文化だ。企業がCEOみずから株を持ち、発言権がある。メディア・モーグル(メディア王)が即決できるアメリカメディアと、サラリーマン社長が経営する日本メディアの違いがここに出ている」
(『ABEMA Prime』より)

