その「大きな宿題」とは君が代の手話表現。「総理もご出席いただいた開会式で美しい手話による国歌、君が代が披露されました。ごらんになられた国民の皆様も多いと思います。ところがあの手話による君が代は、全日本ろうあ連盟さんなどが作成した手話言語試行版に基づくものであり国としての正式な位置づけというものはありません。これまでは統一した手話表現などがなく、地域によって表現が異なり、ひどい場合には【きみがよ=手話で表現】と指文字で音をなぞるだけで、そうなると意味が全く伝わらない、そんな場面もございました。これでは聞こえない方々は自分の国の国歌を心から歌うことができません。今回デフリンピックを機に作られたこの試行版を国の責任において公式版へと格上げし、ろうや難聴の子どもたちがそしてアスリートたちが誇りを持って国歌を斉唱できるよう環境を整えるべきではないかと考え質問をしたいと思います」とした。

 そして「これまでも本件は国会で議論が行われており、当時の岸田総理からは『手話を用いる方々を含め国民の皆様に国歌に親しみを持っていただくことは重要』としつつ、『統一した国歌の手話表現を定めることについては考慮すべき課題がある』とのご指摘がありました。統一した国歌の手話表現を定めることについての課題というものは何でしょうかお答えください」と質問。

 高市総理は「国歌を君が代と規定する“国旗および国歌に関する法律”においてはその歌詞と楽曲のみしか定められておりません。つまり歌詞の意味、解釈が統一されているわけではないということ、それからまた我が国においては手話はひとつだけではなくて、さまざまなものがあると承知してます。ですから(今井)委員のおっしゃる統一した国歌の手話表現を定めるのにはこういった点に留意がある、というのが岸田総理がおっしゃった課題だろうと考えております」と答え、政府としては関係者の取り組みを見守っていきたい、とした。

 今井議員は「国旗と国歌というものは国民のアイデンティティーの証しとして重要な役割を果たしていると考えています。聞こえない方々にとっても同じように日本人たるアイデンティティーの証しというものが必要だと思いますので、また今後さらに検討をしていただき、次回は前向きな回答が得られるよう私自身も勉強を重ねてまた提案ができるようにしていきたいと思っております」と締めくくった。(『ABEMA NEWS』より)

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