【写真・画像】委員長「私の指示聞こえましたか?」「端的に答えて」4連発で審議官に“注意”→国会が音声オフに 旧姓の通称使用めぐりヤジ飛び交う 1枚目
【映像】追及を受ける由布審議官(実際の様子)
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 18日の衆議院法務委員会において、「旧姓の通称使用」をめぐって議論が紛糾した。

【映像】追及を受ける由布審議官(実際の様子)

 立憲民主党の松下玲子議員は、今後5年間の女性政策などの指針となる第6次男女共同参画基本計画の策定に向け、政府の男女共同参画会議がまとめた答申案に、高市早苗総理の持論である「旧姓の通称使用の法制化」を求める文言を内閣府が独断で加えていた件について、「答申案に加筆された経緯」について質問。

 これに由布和嘉子官房審議官は「政府としては、今般の自由民主党と日本維新の会の連立政権合意書の内容を踏まえまして、両党と連携しながら必要な検討を行っているところでございます。こうしたことを踏まえまして、男女共同参画局において案を作成しまして、関係省庁との調整を行い、黄川田大臣の了解を得て、議長である内閣官房長官にも説明した上で、事前に欠席予定の方を含めて有識者議員の皆様方に変更箇所等を明示的に説明を行いました上で、答申案として議論に供するために12日の会議に提出したところでございます」と回答。

 松下議員は「高市早苗総理の閣僚への指示書」と「答申案に加筆された箇所」それぞれを読み上げ「首相指示書に基づかず、連立合意書に基づいて加筆しているのであれば、それは、公務員の皆様が行ってるんであれば、私は憲法にも反するものでないかと思うのですが、いかがですか?」と聞いた。

 階猛委員長に「由布さん、質問に対して端的にお答えください」と促された由布審議官は「お尋ねの記載に関しまして、今般の自由民主党と日本維新の会の連立政権の合意を踏まえまして、政府としては、与党と連携しながら必要な検討を行っているところでございます。こうしたことは、総理や官房副長官も答弁を行っておりまして、これについては政府の現在の見解・対応を示したものでございます。こうしたことを踏まえまして、男女共同参画局について案を作成し、その後のプロセスを経まして、12日の会議に提出したところでございます」と答えた。

 だが松下議員は「だからね、その指示書を否定してるわけじゃないんですよ。指示をされたことを勝手に乗り越えて、飛び越えて法的効力を与える制度を書くっていうのがね、これやっぱりおかしいと思うんですよ。公務員の皆さんは、憲法の第15条の2項『全て公務員は、全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではない。公務員は、憲法に従い、政治的中立性を保ち、特定の個人や団体のためではなく、国民全体の利益のために働くことが求められます』となっているんですね。それを勝手に指示書を乗り越えて『政権合意書があるから、やっぱ政党間の合意書に基づいて法的効力も持たせなきゃダメかしら』ってことで議論したってことですか? それ、本当に問題ないと思われてますか? もう一度お答えください」と迫った。

 由布審議官は「今般の連立政権方針の内容を踏まえまして、政府としては、現在、与党と連携しながら必要な検討を行っているところでございます。こうしたことを、つまり政府として与党と連携しながら必要な検討を行っていることを踏まえまして、男女共同参画局において案を作成し、その後のプロセスを経て12日の会議に提出したところでございます」と回答。

 松下議員は「何度聞いても同じ答えしか返ってこないんですよ。やっぱりこれね、なぜ12月12日に答申案の案が取れなかったのか、そこで反対意見が出たのか、よく考えてくださいよ。『議論に供するために入れた』っておっしゃいますけれども、首相の指示書をポーンと飛び越えるですよ。『法的効力を与える制度の創設』なんて言葉を勝手に入れていいと私やっぱり思えないんですよ。政府の、首相の指示書の通りにやるべきなんじゃないんですか? 旧姓の通称使用における課題の整理と必要な検討を行わなきゃいけないんじゃないんですか? 元はと言えば、内閣府は『既に政府が現在の夫婦同氏制度に代わる制度として承知しているのは、1996年の法制審議会の答申で導入が提言された選択的夫婦別姓制度のみであり、内閣府として旧姓の通称使用についての法制度を政府方針とすることは考えていない』という過去答弁もあるんですよ。これ、政府見解なんじゃないんですか? 旧姓の通称使用の法制度を政府方針とすることは考えていない、この政府見解と今回変わったということでよろしいですか?」と聞いた。

 階委員長は「由布さん、答弁繰り返しになっていますから、聞かれたことに端的にお答えください」と伝え、松下議員も「変わったのか、変わっていないのか?」と念を押した。

 これに由布審議官は「政府としては、従来より、男女共同参画の推進のために旧姓使用の拡大やその周知に取り組んでいるところでございます。現在は、連立政権合意書の内容を踏まえまして、与党と連携しながら、政府といたしましてはその検討を行っているところでございます」と答えたのだが、階委員長は「由布さん、私の指示聞こえましたか? 聞かれたことに端的に答えてください」と注意した。

 由布審議官は続けて「そういうことでございますので、現在は必要な検討を行っているところでございます」と話したのだが、松下議員は「変わったのか、変わっていないのか?」と追撃。

 由布審議官は「そういう意味におきましては、過去にそのような答弁をしたということでございましたら、現在の方針とは違っているということだと思います」と発言。

 この回答には階委員長も「変えたんだ」と驚いたような声を上げた。

40秒「音声オフ」に
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