■特攻機「桜花」とは
特攻機とは、どのような兵器なのか。太平洋戦争末期、戦局が悪化する中、神風特別攻撃隊(特攻隊)が組織された。主に航空機に爆弾を積み、標的に体当たりをする、生還を前提としない攻撃だ。
そんな状況で特攻専用機として開発されたのが「桜花」だ。全長6メートル、先端に1.2トンの爆弾を搭載し、着陸装置も取り付けていない。戦場へは中型攻撃機につるされて運ばれ、敵艦に近づくと切り離され、ロケットを噴射し、目標へ体当たりする。そのため「人間爆弾」とも呼ばれることもある。
平和学者で政治学者、新潟国際情報大学の佐々木寛教授は、「日本軍が行き詰まった戦争の終末期に、人間魚雷や特攻隊のように、人間の身体を兵器にするしかなくなった。桜花は米軍からは『バカな爆弾』と言われていたくらいで、非合理的な状況になった日本軍や、戦争の愚行の象徴だ」と説明する。「戦争は次世代を守るために行うが、次世代を武器にした。いったい何を守ったのだろうと思わせる、本末転倒で残念な歴史の象徴だ」。
■「桜花」案に反対の理由
