■「桜花」案に反対の理由

中井康雅氏
拡大する

 中学校名の「桜花』案に反対する理由について、申し入れた団体の1つ、「九条の会おおむた」事務局長の中井康雅氏は、「政治的な意図でないことはわかるが、知っている者からするとやはり違和感」とする。「『桜花』と聞いたときに特攻兵器が浮かんでしまう」としつつ、「『だから撤回せよ!』と抗議するつもりはない」とも考えるが、「戦争体験や記憶の風化に警鐘を鳴らしたい思いもあって申し入れ書に賛成した」という。

 中井事務局長は、「申し入れ書には『撤回しろ』ではなく、『再考して』と書いてある。桜花の校名を提案した子どもたちが、特攻の歴史や戦争の悲惨な現実を知らないのなら、子どもたちが納得いくように説明すべき」と求める。

 そして、「その上で、校名にするか、考え直すかだ。私たちは校名を決める当事者ではないため、そこには口出しできない。ただ、そのまま決まってしまうことには異議を唱えたい」とした。「一般名詞として『サクラの花』の意味はあるが、特攻兵器として用いられた歴史もある。歴史を知る者としては引っかかるが、そこに引っかからない人が増えていることに危機感を持っている」。

■「学校に教育の全部を投げてしまっている問題がある」
この記事の写真をみる(14枚)