■戸塚氏「子どもを叱って恥をかかせるのは悪いことか?」

 戸塚氏は、子どもを学校に行かせる理由は「一人前の人間にするため」だとし、「一人前になるためには進歩せないかん。それは人間の宿命。我々が進歩させるんじゃなしに、どう進歩するかという能力を身につけさせるだけ」と言い切る。

学校での暴力行為発生件数
拡大する

 また、「三つ子の魂百まで」ということわざを引用し、「3歳までに基本的なことは全部つけさせないといかん。ところが今、保育園でも幼稚園でもただ甘やかすだけで、子どもを将来ダメにしてしまう」「例えば“叱るより褒めろ”と、あんな馬鹿なことを真面目にやった。叱られなかった子どもがどうなるかというと、罪の意識ができない」と持論を展開した。

 教育の概念としては、「知育」「体育」「徳育」を紹介。「知育の目的は論理的思考能力、正しく考える力をつけること。それを日本はやってないから偏差値秀才ができる。徳育は人間性を高めることだが、子どもの人格はまだきちんとできていない。そこから進歩して人間性を高めるわけで、人格否定も人間性を高める1つの方法だ」。

 その上で、「子どもを叱って恥をかかせるのは悪いことか?」と投げかける。「風も海も波も気温も、自然が善。人間の中の自然、特に精神的なものは本能で、これが善だ。悪は理性の中にしかない。恥も本能としてあるもので、『恥じありて且つ格(ただ)し』、恥が人間を進歩させると論語にも書いてある。恥をかく能力を高めるのが、そいつを進歩させること。恥をかかせるのは悪だという風潮はとんでもないことだ」とした。

■体罰なしに教育できる教員は「名人芸。普通の人はできない」
この記事の写真をみる(4枚)