■「シェイドゥラエフはサウスポーのストライカーを攻略するのは得意だけど、サウスポーのレスラーは苦手なのではと思う」(武田光司)
2人目はレスリング出身で、元DEEPライト級王者の武田光司だ。武田は2020年からRIZINを主戦場に戦い、シェイドゥラエフのRIZINデビュー戦の相手を務めた。武田にはシェイドゥラエフと向かい合ったファイターとして、シェイドゥラエフの強さを語ってもらった。
「簡単に言うとシェイドゥラエフは怖いもの知らずなんですよ。子供って無邪気で色んなことにトライするじゃないですか。で、物事の怖さを知らないから、大人からすると『危ない!』と思うようなことでも躊躇なくやっちゃう。シェイドゥラエフはそういう感じです。しかも試合で負けなしだから、常に自信満々の自分を出せる。シェイドゥラエフからするとフルスロットルで自分のことを出せば、誰が相手でもイージーファイトでしょ? みたいな感覚だと思います。あとはシェイドゥラエフの場合、テクニックだけじゃなくて荒さもあって、その荒さの使い方が上手いんですよ。荒さのテクニックというか、どういうシチュエーションだったら自分の荒さが活きるのかを分かって戦っていると思います」
そして武田にどうすればシェイドゥラエフを攻略できるかについて聞くと、意外にも平本と同じく組み技に活路を見出すべきという答えが返ってきた。
「あんな負け方をした僕が言うのも変な話ですが、シェイドゥラエフはサウスポーのストライカーを攻略するのは得意だけど、サウスポーのレスラーは苦手なのではないかと思います。あくまで対オーソドックスと比べた場合の話ですが、僕がシェイドゥラエフと戦った感じではサウスポーのレスラーはちょっと苦手だろうなと。それは試合前の準備の段階からそう思っていて、実際に試合の時にも感じたことです。
朝倉選手がどんな準備をしているか分からないですが、ここ最近の試合では組み技で試合を進めるようになって、前回・前々回と同様の試合の展開に持っていければ可能性はあると思います。シェイドゥラエフは基本的にどんどん前に出てくるスタイルだから、朝倉選手としてはパンチや蹴りを必ず返して勢いに飲まれない、下がらないことですね。そして組みでもしっかり勝負する方がいいと思います」
■シェイドゥラエフの厄介な点は「パンチを打つ時に全く“殺気”がない」こと(久保優太)

