■子どもをどう体験させるか
スタジオでは、体験を単なる「機会の提供」で終わらせないための課題についても議論が及んだ。EXIT・兼近大樹は、自身の幼少期の経験から、体験の「入り口」における視点を提示した。「5歳、6歳までに『楽しいよ』と言って教えないと『やってください』と言われたことは、全部勉強だと思う。修学旅行にしろ何にしろ、『あ、これ全部勉強だ』と。僕は水泳なんて学校の授業でしかやったことがなかったので、ただの勉強として見ていたので嫌だった」と、早い段階で興味を持たせる意義について触れた。
落語家・桂枝之進も、子どもや親のモチベーションについては、深く追求する。「間口が広がって体験格差がなくなり保障されたとして、その先にモチベーションにも格差がある。子どもたちがそれをやりたいと思うか、続けたいか、外に出たいか、どこか行きたいか。それは親のモチベーションでもある。親がそもそも小さいころに外に連れ出していたか、そもそも親が外に出たいと思っていたかに影響を受けると思う」。
その上で体験をすることの重要性には同意しており「何か新しい体験をした時にそれを面白がる力、要は教養があれば新しいものを面白がることができる。それも、いわば教育格差みたいなものに繋がってくる」と、経験格差を埋めることと同時に、教育格差にも連動していくものだと訴えた。
■ミニマムアクセスから始める体験の保障
