■日本の法規制は「50年遅れている」と動物福祉専門家

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 動物実験に反対、あるいは現状の体制に批判的な立場の専門家からは、日本の法制度の不備が指摘された。動物保護団体・PEACE代表の東さちこ氏は、日本の現状を「50年遅れている」と批判する。東氏は欧米との差について次のように述べた。

 「1960年代から80年代ぐらいに欧米では規制を設けて、動物実験施設の登録制にするなど整備してきている。日本はその頃に動物愛護法の原型になる法律ができた。ただし実験動物については、理念的なことや、できる限り苦痛を与えないことだけ入れて、何も取り組まずに今に至る。法的保護という面では、日本はすごく遅れている」。

 また、動物倫理を研究する名古屋大学大学院研究員・竹下昌志氏も、日本の科学界における構造的な問題を指摘する。「日本は動物理念において間違いなく遅れている」 とした上で、科学者が実験を継続せざるを得ない背景を語る。「法制度が整っていないせいで、科学者として動物実験をやめていくことにインセンティブが働かないために、どうしても動物実験がなされてしまっている」と、やめることへの動機づけが弱いとした。

 さらに両氏は、日本の動物実験が「不透明」である点でも一致している。竹下氏は「日本は、そもそも統計が全然取られていない。自主的に倫理審査委員会を置いて管理してい状態なので、全然見えてこない」と述べ、東氏も「把握する法的な仕組みがない」ことで、対策が取れていないとの認識を示した。

■科学の進歩に「動物実験は不可欠」
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