不動産引き渡しなどの強制執行は2024年だけでも、司法統計によれば、3万8000件以上報告されており、その中には過去、今回のような事件も起きている。2001年新潟で住宅の明け渡しをめぐって、執行関係者が日本刀で刺され1人が死亡、2人が重傷を負った事件も起きた。

 元執行官は「警察を連れて行くかどうかの基準はなく、それぞれ自分の経験値で判断する。大抵の執行官は身の危険を感じたことがある。自傷行為もあり、包丁に警戒するため、キッチンに見張りを置くなど、細心の注意を払う必要がある」と実情を明かす。

 さらにAさんによれば、家賃滞納で退去を命じられた人の情報は、いわゆるブラックリストとして一定の保証会社間で共有されており、新たに賃貸契約を結ぶ際のネックになるとされ、どこにも行き場がない人の相談に乗ったことがあるという。

「『家を追い出されて、無いんです。明日から住めますか』とか。それで『何した?』と言ったら、『家賃滞納して、もう本当どうしようもないんです』。その時、保証会社どこをとばしていったか聞く。『こことここはコンピューターが繋がっていないから、ここの保証会社だったら、確実におっちゃんが通したる』って。僕のお客さんで、家賃滞納した。もう1年おきに転々。でもその子、最後には漫画喫茶で暮らした」(Aさん)

立ち退き強制執行、警察の立ち会いは?
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