その後明らかになったのは、小松本さんの居場所を探していた大内容疑者が、位置情報発信機を悪用し、特定に至ったとされるストーカー殺人の可能性だった。
元徳島県警捜査1課警部の秋山博康氏は事件発生当初、自身の捜査経験からこう語っていた。「首を刺しての殺害は犯人に一方的な強い恨みがある場合が多い。警察はすぐさま被害者のスマホを解析し、交友関係などを洗い、早い段階で容疑者の特定はできていたはず」。
事実、警察はスマホから大内容疑者を割り出し、1月11日には大内容疑者の自宅から車が押収されるのを、近隣住民が目撃していた。
「通常逮捕の場合、現場での指紋や足跡、DNAなどの証拠をそろえる必要があり、時間を要します。その間、警察は容疑者を24時間体制で徹底マークしていたのは言うまでもありません」(秋山氏)
この事件には、発生当初から謎が多く残されていた。事件を振り返る。2025年の大みそか、新年を迎えようとしていた午後7時過ぎのことだった。
茨城県水戸市のアパートに小松本さんの夫が帰宅すると、鍵は閉まっておらず、玄関の内側で血を流して倒れている小松本さんを発見した。小松本さんは首を刃物で刺され、頭を鈍器のようなもので殴られていたという。小松本さんは妊娠中で、体には腹部を守るためについたとみられる傷などが数十カ所あった。
その日の行動はこうだった。小松本さんは夕方外出し、その後夫も仕事に向かった。午後5時前、小松本さんは外出先から夫に『いまから帰る』と連絡。午後7時過ぎ、帰宅した夫が発見。警察は午後5時20分ごろから午後7時15分ごろの間に殺害されたとみている。
ここで浮上する謎は、「なぜ犯人は夫が不在となり、小松本さんが1人となる時間を把握できたのか」だ。
秋山氏は「容疑者は隙があれば一気に殺害するという強い意志があり、何日も被害者方を下見していた可能性があります。一気に殺害するために鈍器と刃物を準備し、何度も下見をして、夕方は被害者が1人になることを確認。当日は近くで見張りをして、夫が外出したのを確認後、一気に犯行に及んだものと考えられます」と推理する。
元交際相手(28)の人物像
