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将棋のタイトル戦、特に竜王戦・名人戦・王位戦・王将戦といった最高峰の舞台は「2日制」で行われます。その1日目のクライマックスとして欠かせないのが「封じ手(ふうじて)」です。

なぜ紙に書くのか? どのように保管されるのか? 本記事では、対局の公平性を守るための厳格な手順と、ファンを魅了する封じ手の醍醐味について解説します。

目次

  • 1. 封じ手とは?「持ち時間の不公平」をなくす画期的な仕組み
  • 2. 封じ手の具体的な手順と厳重な保管ルール
  • 3. 封じ手のタイミングと「時間の駆け引き」
  • 4. 2日目の朝、運命の開封
  • まとめ

1. 封じ手とは?「持ち時間の不公平」をなくす画期的な仕組み

2日制の対局では、1日目の終わりにその日の最後の一手を紙に記入し、封筒に入れて封をします。これが「封じ手」です。翌日の対局再開時にこれを開封し、記入された手を指すことで対局が続行されます。

◆なぜ封じ手が必要なのか?

最大の理由は「持ち時間の公平性を保つため」です。
もし封じ手がなく、1日目の最後に盤上で指して中断した場合、次に指す側は夜の休憩時間中(対局時計が止まっている間)に、相手の指し手を見てからじっくり次の戦略を練ることができてしまいます。

封じ手をすることで、「次に何を指すか」を伏せたまま中断できるため、両対局者が平等な条件で2日目を迎えられるのです。

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2. 封じ手の具体的な手順と厳重な保管ルール

封じ手は、不正や紛失を防ぐために極めて厳格な手順で行われます。

◆封じ手用紙に記載される内容

封じ手用紙(図面)には、以下の情報が正確に記されます。

* 棋戦名(例:第〇期 竜王戦 七番勝負)
* 対局会場
* 次の一手(図面に赤ペンで記入)
* 両対局者の署名
* 立会人の署名

◆「2通作成」によるリスク管理

封じ手は全く同じものを2通作成します。これは紛失や事故に備えるための伝統的なリスク管理です。
作成された2通は、以下のように別々に保管されます。

1. 1通目: 立会人が保管
2. 2通目: 対局会場(ホテルや旅館)が保管

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3. 封じ手のタイミングと「時間の駆け引き」

封じ手が行われる時刻はあらかじめ決められており、通常は18時(棋戦により異なる)とされています。

* 手番の対局者が封じる: 規定の時刻になった際に、手番を持っている側が次の一手を封じます。
* 時刻を過ぎてもOK: 定刻になったからといって、すぐに封じなければならないわけではありません。納得がいくまで考え続け、自分のタイミングで「封じます」と意思表示をすることが認められています。

◆ここが見どころ!封じ手の醍醐味

封じ手の時刻が迫ると、対局者の間では「どちらが封じるか」という心理戦が繰り広げられます。

* 「きりの良いところで相手に封じさせたい」
* 「じっくり考えて、自分のタイミングで封じたい」
こうした駆け引きは、観戦記者や解説者が「そろそろ封じるでしょうか?」と予想する、2日制タイトル戦ならではの見どころです。

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4. 2日目の朝、運命の開封

翌日の対局再開時、立会人が両対局者の前で封筒をハサミで開封します。
「封じ手は、〇〇(指し手)」と読み上げられ、その手が盤上に指された瞬間、再び両者の対局時計が動き出します。

ファンにとっては、解説者が夜通し検討した「封じ手予想」が当たっているかどうか、固唾を飲んで見守る瞬間でもあります。

まとめ

将棋の「封じ手」は、単なる中断の儀式ではなく、公平性を極限まで追求した知恵の結晶です。
1日目の終わりに行われる心理戦、そして2日目の朝の開封。この一連の流れを知ることで、タイトル戦の観戦がより一層深いものになるはずです。

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