では、なぜドバイに潜伏しながら、バヌアツのパスポートを得ていたのか。元千葉県警国際捜査官の石川公之氏は、国籍ロンダリングの可能性を指摘する。「バヌアツという安易に短期間で国籍が取れるところを狙って取得したということなので、明らかに海外逃亡を目的とした国籍変更だ。使い勝手のいい旅券をドバイの方で入手するということを念頭に逃亡したと考える」。

 福原容疑者らに対しては、2024年に旅券返納命令が出ており、パスポートが失効となると、その情報は世界で共有されるため、出国することは事実上不可能となる。また、ドバイではバヌアツの市民権を得やすい、という事情もあるという。

 佐藤氏は「バヌアツの市民権は、自分がダイレクトで政府に申請することはできない。バヌアツの法律で、政府のライセンスを受けた公式のエージェントを通して申請するようになっている」と明かす。バヌアツの移民登録事務所は、世界で5カ所あり、そのひとつがドバイにあるというのだ。

 しかし、佐藤氏によると「2025年10月から、移民登録システム事務所というバヌアツの機関に訪問して、顔と指紋の登録をしないと取れない」そうだ。市民権の認定が下りる期間を考えると、福原容疑者はルールが厳しくなる前に、ドバイに居ながら国籍ロンダリングを企てた可能性が考えられるという。

 さらに福原容疑者は、ドミニカ国の国籍取得方法を国際電話で確認しようとしていたこともわかっている。石川氏は「カリブ海の小さい島国は、同じように投資で市民権を取得できる国が集まっている。その中の1つがドミニカ共和国。そこで市民権をとれば、近隣の諸国にはノービザで出入りできる。ドミニカ共和国の旅券を最終的に取って、カリブ海諸国の島を渡り歩いて逃亡しようとしたのかもしれない」と推測する。

中国にはバヌアツのパスポート取得の代理業者が多数存在
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