■中学1年から「トイレノート」5万件メモ
株式会社UN&Co.とは、トイレの課題解決を通じて日常生活を豊かにすることを目指すスタートアップ企業だ。代表の原田氏がトイレに関心を持ったきっかけは、中学1年生の頃、車椅子ユーザーの友人と外出する際、利用できる場所の選択肢を増やしたいと思ったことだった。以来、「トイレノート」を作成し、膨大なデータを蓄積してきた。
これまでに足を運んだトイレの数について「長いことやってはいるが、トータルで大体5万件ぐらいは自分の足で行ってメモしている」と語る。
当初は何を記録すべきかわからなかったというが、「がむしゃらに写真を撮って、こういう機能がありましたぐらいがスタートで、やっていく中で意外とこのデータはこういう人が欲しているんだなとか、だんだんターゲットがわかるようになっていったので、そこからは、例えば車椅子の方用の施設とか、大体の寸法やどんな設備があるといったことも追記していってアップデートされていった」と研究の深化を振り返った。
これを聞いたSHELLYは「本当にすごいと思う。この研究心、探究心みたいなものが」と感嘆した。
高校1年生でアメリカへ留学し、全ての人が性別を気にせず利用できる「オールジェンダートイレ」の研究に打ち込んでいた原田氏だが、コロナ禍により約10ヶ月で緊急帰国を余儀なくされた。しかし、そこで腐ることなく、トイレットペーパー制作のクラウドファンディングに挑戦したり、1日最大20時間の猛勉強をして東京大学への進学を決めたりと、驚異的な切り替えを見せた。
原田氏は当時の心境について、「元々は、LGBTコミュニティに参加したり、障害当事者の方々に話を聞いていたので、その意見を基に新しいトイレを作ろうと思っていたが、コロナ禍で難しくなっていった。まずは自分の研究成果を発信していきたいと思った時に、例えば論文を書いたり、たくさんデータを取ったり、いろいろな手段があると思って、その中で大学選びをして東京大学に入学した」と語った。
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