■ヨーロッパとの温度差とトランプ政権への「国民の怒り」
エプスタイン問題の発端は2005年、14歳の少女が被害届を出したことで捜査が開始されたことにある。エプスタイン氏は2008年に買春の重罪を認めて禁固13カ月の刑に服した。その後、2019年に再び逮捕・起訴されたが、裁判の前に拘置所で自殺を図り、死亡している。
今回の文書公開に至る流れとしては、2024年の大統領選で公開を検討したトランプ大統領が、2025年資料公開の法案に署名し、司法省による公開が決定した。そして今年1月に追加資料が公開されたが、この公開によってアメリカやヨーロッパを含め、連日報道が過熱している状況だ。
三牧氏は「名前がたくさん出てくる=エプスタイン氏の犯罪に関与していたということではない。だからこそ、ちゃんと解明が進められるべきなのに、司法省は新たな訴追はしない。さらに、これで文書の公開も捜査も終わらせてしまうのではないかという国民の懸念がある」と見る。
「エプスタイン氏が2008年に有罪になった後も、多くの政財界の有力者、アメリカ国内外の有力者がエプスタイン氏とかなり親密なEメールなどやり取りをしていた。それは、刑事的な罪には問われないにしても、道義的な責任はあるのではないかと」
さらに、「最近でもアメリカのホテル大手ハイアットの会長やゴールドマン・サックスの幹部など、とりわけビジネス界の重鎮たちが辞任という形になっている。それに対して政界は、犯罪への関与はまだわからないものの、相当名前が出ている人も一切罪に問われていない」と政界の対応の遅れを指摘。
また、アメリカとヨーロッパの対応の違いについても意見する。
「イギリスでは、元駐米大使のマンデルソン氏がエプスタイン氏と非常に親密な交流があった。その過程でイギリスの機密情報を流していたのではないかということで、マンデルソン氏だけでなく、それを知りつつスターマー首相が任命したことにも問題があるということで、スターマー首相の任命責任、さらには辞任も考えるべきではないかと世論が相当高まっている」
「それに対しアメリカは、文書に名前がたくさん出てきている政治家がいるわけだが、調査をするといった動きが出てきていない。そもそもこの問題はアメリカ人のエプスタイン氏がアメリカを中心として起こした事件なのに、ヨーロッパと比べても事態解明の動きが鈍すぎる、早々に幕引きしようとしていることでアメリカ国民は怒っている」
(『わたしとニュース』より)
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