「世界的な脱炭素の流れは以前より弱まっているが確実に続いている」
2015年の「パリ協定」前後から気候変動に関する訴訟が世界的に認められる傾向が強まっている。オランダではNGOと市民が「温室効果ガス削減目標を引き上げる」よう国に求めていた訴訟で2019年、最高裁で「引き上げ」が命じられた。韓国でも、国に将来の温室効果ガス削減目標がないのは「違憲」だとする判決が2024年に出た。
日本では、2024年に若者たちが電力10社にCO2排出削減を求め提訴(名古屋地裁)し、2025年には市民らが「国の気候変動対策は不十分」と提訴(東京地裁)するなど、訴訟が相次いでいる。
香取記者は国際社会の逆風についても言及した。26年1月にトランプ大統領率いるアメリカがパリ協定から正式に離脱し、国連気候変動枠組条約からも離脱する方針を示していることについて、「非常に深刻な問題だ。アメリカは世界第2位の排出国だが、これまでの対策を弱めたり研究機関への助成を減らしたりしている」と危惧を示した。しかし、ICJの勧告的意見はパリ協定を離脱しても国際法上の義務として有効であるとし、「世界的な脱炭素の流れは以前より弱まっているが確実に続いている。気候変動の被害が明らかになる中で、対策から目を背け続けるのは難しいのではないか」と述べた。
最後に、香取記者は「清潔で健康的かつ持続可能な環境で暮らすことは人権の問題という考え方が浸透し始めている」と述べた。既存の法の壁をこじ開けようとする法律家たちの取り組みについて、「パリ協定以降に加速したこの新しい動きを、これからも見守っていきたい」と強調した。
(朝日新聞/ABEMA)
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