「姿なき最高指導者」モジタバ師の正体…17歳で戦地へ、革命防衛隊との深い絆「海外に何兆円という資産を蓄財」「汚い面もある」国際政治学者が解説

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 イランは民主主義体制で大統領も存在するが、最高指導者は政治、宗教、司法、そして軍のトップで絶大な権力を持っている。さらに最高指導者直轄の軍事組織で革命防衛隊というエリート精鋭部隊の存在もあり、非常に強い統治が行われてきた。一方で1979年、パーレビ国王の強権政治と世襲を批判して現体制が誕生した。3代目となるモジタバ師は世襲となるが、反体制デモが吹き荒れたイラン国内でその矛盾を問う声は高まるのだろうか。

 イラン研究40年以上の、同志社大学大学院の中西久枝教授は「人口約9000万人いるイランだが、約300万人ほどが空爆から逃げ惑っている。喫緊の問題はいかに自分の命を守り、生存できるか。戦争がどう終結するのかは全く見えない状況だが、イラン国民は非常に冷めた目で政治を見る、社会を見るというところがあるので、終結した後で批判の目が政府に対して向けられる時期が来るかもしれない」と解説。

 「『血の報復を行う』という宗教上のイデオロギーが非常に重要」と続けると「本来は世襲が基本ではないが、内政と外交の両方を担っていく人物は誰かということになると、革命防衛隊や治安部隊の支持といった、治安にも通じる影の人物がその座(最高指導者)に就くことによって、イランの体制維持は盤石になると判断したのでは」との見方を示した。

 モジタバ師は長年、父ハメネイ師を影で支えた実力者と言われるが、公職に就いたこともないため謎も多い。1969年生まれで56歳のモジタバ師は、高校卒業後に革命防衛隊に入隊。イラン・イラク戦争にも従軍。そのため革命防衛隊との関係は深く、革命防衛隊はいち早くモジタバ師への忠誠を表明した。さらに、海外に莫大な資産を保有していると見られており、権力基盤も盤石とも言われている。

 中西教授は、イランがトランプ大統領の望む無条件での降伏を認められない理由について「国家の中枢にある最高位の最高指導者を暗殺することまでしながら、強烈な爆撃を続けているのは国家介入、国家主権の侵害という面においては、“極めて重い戦争”を展開している。最高指導者が暗殺され殉教した。宗教上の殉死はシーア派のイランにとっては非常に大きな惨劇、惨事であり、それを悼む40日間の喪に服している。早期決着していく、終結していくという見込みは、現時点ではなかなか見えないのが現状」と説明した。

「海外に何兆円という資産を蓄財」「汚い面もある」国際政治学者が解説
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