■多様性と政治家としてのバランス
「マイノリティー政策だけを実現する政治家は、いかがなものか」という意見もあるが、尾辻氏は「おっしゃる通りだが、マイノリティーであるがゆえに立候補できないことはあってはならない。衆議院の小選挙区は、地域の代表を選ぶ選挙だ。各政党の公認は1人だけで、マイノリティー性を帯びた人は、なかなかたどり着けない。『カミングアウトしなかったら候補者になれたのに』というケースもある」と考える。
また、選挙の仕組みによっても変化する。「参議院の全国比例のように、同じ政党から複数出る中から選ぶ場合には、マイノリティー性が大きな武器になる。私は選挙区選出で、今回は物価高対策などがメインになった。メインのこともやりながら、当事者のこともやっていくバランスが大事だろう」。
カミングアウトによって、「『なぜ政治家になりたいのか』と聞かれた時、大きな理由である『当事者であること』を説明できるようになって、楽になった」と振り返る。「2007年の参院選に全国比例で出た時は、当事者が応援してくれたが、それゆえに『家族や職場に応援の輪を広げられない』という声も多かった。今では非当事者が『世の中のためになる政策だ』と応援してくれる」。
■属性を超えた連帯のあり方
