将棋の藤井聡太王将(竜王、名人、王位、棋聖、棋王、23)に永瀬拓矢九段(33)が挑戦する「囲碁将棋チャンネル ALSOK杯第75期王将戦七番勝負」第6局が3月18、19日の両日、愛知県名古屋市の「名古屋将棋対局場」で指され、激戦の末に藤井王将が勝利を収めてシリーズ成績を3勝3敗のタイに戻した。カド番に追い込まれてからの見事な連勝劇で防衛に望みを繋いだ絶対王者。中継で解説を務めた藤井猛九段(55)は、この大一番で藤井王将が放った絶妙な「垂らしの歩」に注目し、土壇場で見せた完勝譜と最終局に向けた期待を語った。
藤井王将の先手番で始まった本局は、角換わりの出だしから互いの深い研究がぶつかり合う展開となった。難解な進行について、藤井九段は「見慣れない変化の将棋になったが、永瀬九段はかなり深いところまで予定の進行だった様子」と推測。しかし、中盤の駆け引きについて「飛車を成られても戦える変化だと思っていたが、実は思った以上に悪かったということだったのではないか」と語り、挑戦者の構想をさらに上回る藤井王将の緻密な指し回しがあったと分析した。
数ある激しい攻防の中で、独自の語り口で人気を博すベテランの藤井九段が「本局で一番印象に残った」と感嘆の声を漏らしたのが、藤井王将が放った「垂らしの歩」の一手だ。盤上では決して派手ではないこの一着について、藤井九段は「地味に見えるが、この歩を打ったことで龍の位置をキープし、最後まで後手の金銀が釘付けになって苦しくすることとなった」と解説。相手の防陣の自由を奪い、じわじわとリードを拡大していくその深く鋭い構想に触れ、「藤井王将の指し手が冴えわたっていたと思う」と、カド番という極限状態で見せた王者の勝負術を称賛した。
「最後はその棋士の本性、本質」「追い込まれた時に真の強さが見られる」




