しかし、今回転覆した船は2隻とも座席は無し。榎本氏によると、その場合例外として、船の面積を0.3平方メートルで割り、最大搭載人員を算出するという。ここには、ある落とし穴が…。
「これを『立席』と法律用語でも書いてある。立って乗ることが前提の計算方法。ありえないでしょ?あれ立って乗れない、曲芸になっちゃう。立席というのは手すりがあって、立ってないと乗れないような種類の船に対する便宜的な別枠。通常、乗船定員は5、6人だ」
つまり、平和丸13人、不屈10人という最大搭載人員は、そもそも実行できない「立って乗ることを前提」とした数であり、榎本氏によれば座って乗るなら、5、6人が適正だという。
そのようなことがまかり通る背景に行政の問題が大きいと指摘する。「免許も含めて国交省の事務方がやっている。海上保安庁が権限をちゃんと持って指導に当たれれば、今回(事故が)起きていない可能性がある」。
船の免許制度、そして船の検査制度の権限を握っているのは国交省の海事局。一方、海上保安庁は国交省の傘下ではあるものの、それらの権限がない。榎本氏によると、仮に海上保安庁が現場で船を取り締まっても、過去の違反歴はおろか、その操船者が免許を持っているかどうかさえ国交省に文書照会しないと確認できないという。
人を乗せる場合に必要な事業登録をしていなかった
