■「卒業式の本来の目的を」元教員が語る安全面やトイレの懸念
このように卒業生が袴を着用する流れがある中、自治体や学校によっては自粛を促すところもある。背景にある学校現場での懸念点について、小学校で長年教員を務めたナナホシ氏は次のように語る。
「1つ目は安全面で、袴は普段着ていない、履き物も普通の靴ではないので、転倒や階段を降りる時につまずいてしまうリスク。2つ目はトイレの問題。子どもたちも緊張していたりということがあって、『今から卒業式に移動するよ』という時になって、『先生トイレに行きたいんです』というのはよくあることだが、そんな時に袴の子だと結構大変になってしまう。あとは着崩れ直しとか、特に女の子で担任が男性の先生の場合だと直すこともできない。少しきつかったりもするので体調不良になってしまうこともある。(袴で体調不良になった子を)少し落ち着かせて、としていると、式自体も前後してしまう」
一方で子どもの側には、大事な式だから着飾りたい、誰かが袴を着ていたら自分も着たいという思いがあることも。こうした中、教員としては卒業式の目的を改めて子どもたちに伝えていたという。
「その日の服装だけで卒業式すべてが決まってしまうものではない。今までの学校に対しての思い出とか友達関係とか先生とか、そういった思いを大事にするということを第一に考えてほしい。服装はその次であってほしい。晴れやかな気持ちで『この学校で良かった』と思って卒業してほしいというのは、担任を経験した身から言うと一番伝えたいことだと思っている」
この意見に対し、白鳥は「先生が言うのがごもっとも。卒業式の本来の目的はちゃんと思い出を噛み締めて感謝する場所ですもんね」とコメント。
一方で、周りが着るなら自分も着たいと思う子どもの気持ちにも理解を示した。「自分が小学6年生で、友達が5人組だったとして4人に着るって言われたら、『私も』ってなるもんね。親としても、最後だから『私だけ…』みたいになるのもかわいそうだなって思うよね」。
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